表通りに面したカイヅカイブキの生垣、80年の歳月が流れ大きくなりすぎ今回伐採して再生することしました。ところが、主屋と水屋の間に目隠し用の内塀が必要となり大和塀を設置することに。そして、漸く形が出来ました。
高槻と日野の2重生活、その中での作業となるので中々作業がはかどらないことを考え、9月の初めに、近くのコメリ・ホームセンターで材料を購入し10月末に完成するよう目標を立てて作業に入りました。
品薄で材料が高騰する中、手に入れたヒノキ柱材(寸法は90×90×4000㎜)4本は、覚悟はしていたが節はあるは割れはある、当然のことながら反り、ねじれもある。
①、先ずは、柱材の面出し作業から始める。粗削りは電気カンナで、そして、仕上げは手カンナで、建てる塀の長さは3mこの長物の面出し、結構手間がかかる。遊びに来ていた孫君も手伝ってくれる?
②、続いて土台、棟材のほぞ穴加工に入る。土台は上面はフラットでなく、腐り防止のために水切り勾配をつけ断面を山形にすることにしました(ヴォーリズの建屋では水切り勾配が定番)。勾配をつける前にコミセン穴を彫り、ほぞ穴を彫る。土台は、ほぞ穴をあけた後水切り勾配をつけ山形に仕上げます。
③、柱材5本は、上下端にほぞをつけるが、下端は土台の水切り勾配の面にピッタリと会うように加工してやる必要があります。このため墨付けの精度が非常に大切です。(後から気が付いたのですが、精度と作業効率向上のためにテンプレートを作るべきだった。この辺りが経験不足。)また、柱の中間には貫材を通すほぞ穴を彫る。そして、下端のほぞには土台と柱を緊結するためにコミセン穴を彫る。
④、仮組をして、ほぞとほぞ穴の締まり具合、土台と柱材の水切り勾配の隙間調整、直行度の調整を行います。結構な手間です。
⑤、仮組したものをばらして、全パーツの全面にキシラデコールを下塗り2回、上塗2回を施します。特にほぞ穴、ひび割れなどのくぼみ、穴などに塗り漏れが無い様に小筆やスポイトを使い奥まで十分に塗料をいきわたらせます。
③、塀に貼り付ける焼き板を作る。材料は、杉野地板使いました。当初は三角焼を行うつもりでしたが、適当なスペースが無いためバーナーを使って焼きました。前面炭で覆われるように均一に焼くのが大事です。焼きあがったものをデッキブラシで磨き完成です。
④、全てのパーツの表面処理が完了し本組み立てに、土台、柱、貫材、棟を組立て、張り板を張る前に土台と柱を緊結するためにコミセンを打ち込みます。棟包は主屋に使われている棟瓦と同等品を使うことに(越前塩焼き瓦)しました。板戸の張り板は塀に使用した焼き板の端材を利用するが、寸法の関係で板材の間にできた隙間は、割竹を貼り隙間を埋めました。割竹にもキシラデコールを塗ったら色目が煤竹のようになりいい塩梅に収まりました。